柑橘をみると、まず一番に考えるのは、この皮、煮られる?ということ。皮を煮たり、削ったりして、お菓子に使いたいのです。
ツルツルピカピカして美しいものは、残念ながらたぶん農薬がたっぷりかかっているので、中身を食べて皮はサヨナラですが、見た目はちょっと不細工でも、無農薬や減農薬の柑橘類の皮は、皮をむいたらしっかり洗って、そのまま鍋にインします。
高知県は柑橘パラダイスなので、土佐山にいた頃は、柑橘類にはずーっと困りませんでした。
農作物なので当然、豊作と不作の年があります。畑仕事しているおじいちゃんに、今年の柚子の出来はどうですか?と聞くと、「今年は裏じゃ」とか言われると、喜ばしいことではないけれど、おじいちゃん、ちょっとカッコいいなあと思ったりしていました。
そして今年、私は東京に帰ってきていますが、私の願いが通じたのか、柑橘が当たり年で、豊作とまでは言いませんが、とても柑橘運が良いみたいです。
まず今年の1月に、高知でジャムとピクルスのお店をやっておられる、ジャム友のトカジさんから、花良治みかんをいただきました。読み方は「けらじ」というそうで、箱を開けると、独特のスパイシーな香りが漂って、ちょっと衝撃。
「こじゃんと、いいにおいですね!」と言うと、「そうやろう、かとうさん、これ絶対な
んか作りたくなると思うて、送ってみたたがよ」とのこと。
優しい。こういう気づかいができる素敵なトカジさん、いつもありがとうございます。
さっそく、その花良治みかんの皮を煮て、オランジェットを作りました。
そして2月3月と、あちこちから、高知名物の文旦をいただき、これも大喜び。この文旦の皮は白いところが多くて、食べ応えがあります。中身ももちろん、実が独特の弾力があって、サクサクしているのが私は好きです。
文旦の皮を煮て、これもオランジェットにしたり、パウンドケーキに入れたりするのです
が、土佐山にいた頃ほぼ毎週ご飯をご馳走してくれていた土佐山の師匠、京ちゃんが、すごくおいしいピール煮を作って、毎年送ってくれます。
まだ寒くて星が出ている早朝、京ちゃんは仕事に行く前に、上白糖で煮た文旦の皮を軒先に出して、仕事に行くのだそうです。
それが乾くと、砂糖が再結晶化して、シャリシャリとした独特の食感のピール煮が出来上が
ります。これもいつもありがとう、京ちゃん。家族全員、これ大好きです。
そして今年は、愛媛のぽんぽこらんどの古崎さんのところで、レモンを購入。レモンピールを大量に仕込みました。
柑橘フィーバーも5月とともにそろそろ終わり、と思っていたら、なんと大好物の小夏が!
小夏は日向夏という名前で売られているところもありますが、高知では小夏で、皮を薄くむいて、白いところも一緒に食べます。香りがよいので、皮はピールに煮てもよし、そのまま擦ってマドレーヌにいれたりするのもよし。送ってくださったМちゃん、わざわざ、ありがとうございます。
この途切れることのない柑橘のループ、私の柑橘愛も止まることなく、中をいただいたあ
と、皮は大鍋の中で生まれ変わり、次なる出番を待っています。
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