今年も青梅の季節がやってきました。
梅仕事をしている、というと、なんだか自分がきちんとした人になった気分になってきます
が、私の梅仕事は、梅干しでも梅酒でもなく、梅の蜜煮一択です。
青梅が届いたら、どんなに忙しくても、その日のうちに作業に取りかからねばなりません。洗った青梅のへたを取って、マチ針で梅のひとつひとつに穴をあけていきます。それを何回か水を変えながら、水にさらします。そして翌日、それを煮ていきます。
ここまで頑張ったのに、今年はステンレスの鍋に入れて煮た方の梅が、煮ている途中で、ほとんど表面が割れてしまいました。
弱火よりも弱い火のことをほたる火と言うのだそうですが、ほたる火になっていなかったのか、鍋の中の湯温が上がり過ぎが原因です。
家で自分で食べるので、かまわないと言えば、かまわないのですが、ちゃんとつきっきりで鍋をみていなかった、己の過失を突き付けられているようで、ちょっと情けない気持ちになります。
こんなズボラな私にとって、強い味方なのが、銅のジャム鍋で、これで梅を煮ると、温度が
上がり過ぎず、うまく火が入っていき、ステンレスの鍋のものと比べると、きれいに仕上が
ります。
青梅蜜煮と青梅シロップ、両方ともいろんな食べ方や飲み方を試すのが、この時期の楽しみです。
青梅のシロップはソーダ割りにしたり、ビールで割ってパナシェにしたり。それから意外かもしれませんが、アイスコーヒーに少しだけこのシロップを入れてから、牛乳を注いだアイスカフェオレが、とても気に入っています。
青梅蜜煮の方は、ふと思い立って、モンブランに栗の代わりに青梅を入れてつくってみら、これもなかなか合いました。
次に青梅のシブースト、これも絶対合うと確信して、つくってみました。
しょっぱいタルト生地、パート・ブリゼに、ゼラチンとイタリアン・メレンゲを入れたカスタードクリーム、クレームシブーストを入れて、そこに種をとった青梅の蜜煮を忍ばせ、表面にグラニュー糖をかけて、焼きゴテでカリっとキャラメリゼ。
かなり甘い、シブーストのクリームと、酸味が強い青梅の味が相性がよくて、これもなかなか美味しかったのですが、モンブランもシブーストも、種を取ると、すでにとても柔らかくなっている青梅、あのマリモのような、美しい丸いフォルムは失われてしまうのが、なんとも残念です。
作ってから数日すると、砂糖と青梅の甘さと酸っぱさが合わさり、仲良く瓶のなかでバランスが良くなります。
今年は、ブランマンジュに蜜煮を合わせて作ってみようかな。新しい組み合わせを思いつく
のも、この時期の楽しみのひとつで、本当にわくわくします。
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