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école crème et métier blog

酸っぱくない酸っぱさを感じるマドレーヌ

マドレーヌ



カレーには甘口、中辛、辛口、はたまた激辛などがありますが、酸味に関して言うと、

ちょっとすっぱい、結構すっぱい、とてもすっぱいなどと、形容詞が付いた表現になります。

辛さは一般的に唐辛子をさしているけれど、酸味はレモンやパッションフルーツなどの果実とビネガーなど、それぞれがイメージする酸っぱい素材が、たくさんあるからでしょうか。

そして、酸味にはカレーのような誰もが知っているような、しょっちゅう食べる酸味料理が思いつきません。


焼き菓子に酸味を足して、冷凍したり、熱を加えると、酸味が飛んだり、酸化したり、変化してしまったり、、、結構難しいんです。


以前、レモンカードのパッションフルーツバージョン、ハワイのリリコイバターを、柚子でやりたい、という話があって、柚子で作ってみたのですが、どうしても時間が経つと酸化して味が変わってしまい、添加物は入れたくないというお話で、あきらめたことがあります。


そして、リリコイバターよりも、もっと前になりますが、一時期、どうしても生地に酸味を入れて、ダイレクトに酸味が感じられる焼き菓子を作りたいと思っていた時期があって、

いろいろ試行錯誤していたのですが、それを全部やめてしまった出来事がありました。


フランスのノルマンディーを旅行していた時、トゥルーヴィルだったと思うのですが、

小さなサロンドテで、マドレーヌを食べました。

そのマドレーヌは生地自体は全然酸っぱくもなくて、ただシンプルにレモンのすりおろした皮がふわっと香っているだけの、とてもシンプルなマドレーヌでした。


それを食べたとき、私は今まで食べたどの焼き菓子より、トゥルーヴィルのマドレーヌに、レモンを感じたんです。

全然、酸っぱくもないのに、これは太陽を浴びて育ったレモンを使ったお菓子なんだ。

私が探していた、人を笑顔にするお菓子って、こういうお菓子だ、そう思いました。

本当に庶民的な地元のマダムが、夏のけだるい午後のなか、のんびりとおしゃべりをしているような、どこにでもありそうなサロンドテのマドレーヌ。

それ以降、私は酸っぱい生地の試作をやめました。


焼き菓子に酸味を必要以上に加えるより、食べたとき、ふわっとレモンの香りがして、太陽のようなレモンを想像できる、そんなお菓子が作れたら、最高だと思うようになったんです。

味だけでなく、香りで酸っぱさを想像させられるなんて、なんてすごいお菓子なんでしょう。

シンプルマドレーヌは、エコール・クレーム・エ・メティエのオンラインレッスンのキャトルキャールレッスンa,b,cのcの作り方で作ります。

トゥルーヴィルのマドレーヌには、まったくおよびませんが、いろんな焼き菓子の基本になる最初のステップ。


8月が、今年最後のキャトルキャールレッスンです。ご興味のある方は、ぜひお申込みお待ちしています。
















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